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ADA展示会と米国最新病院フードサービスシステム視察:報告レポート
1.Kings County Hospital Center Commissary 所在地:599Kingston Avenue Brooklyn, New York 11203 |
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■フードサービスシステム概要
1)生産食数
1,900食/日(食事の70%、残り30%はサテライト、牛乳・パン等)
2)配送先
15施設(当病院627床も含む)毎日365日前日夜冷蔵車で配送
3)運営形態
ソデクソー運営(旧マリオット) スタッフはニューヨーク市職員
4)スタッフ数
65~80名(週末日は少ない)
5)フードサービスクックチル(ブラスト&タンブルチラー)
●プレパレーション室
生鮮野菜(玉葱等)の下処理、冷凍食品の袋詰めから取出す。
標準レシピーに基き、すぐ調理出来る様、野菜計量しホテルパンにセット、カートに収納後チルド庫に搬送する。(ホテルパンにはレシピー、材料名、日付等のデータ記入)55℃で保存。
肉類は感染症コントロール防止から別室で準備する。特に0-157、サルモネラ菌に注意。
信頼性の高い業者から購入している。冷凍仕込とし、冷蔵室で解凍2日以内で使用。(生鮮品も使用しているが、下処理機器少く加工食材冷凍食材多用?)
●下処理済み食材冷蔵室
プレパレーションに隣接、カート収納(肉除外)
●肉冷凍室
肉はディリー購入 850ポンド(6,000人分)、保存後冷蔵庫にて解凍(2日分)
オーバークック分の保存・・・衛生上問題?
●別のプレパレーション室
デザート生産、肉魚及びグリーンピースのピューレ作っている→袋詰め→ラベル付け →ストック後各サテライト
●クッキングエリア・冷却室
ウィークディ:たん白質食品生産、週末:野菜、でんぷん質食品生産
主要機器 スチームコンベクションオーブン(ラショナル製)20段シングル:5台、マッシュポテト用ケトル:1台、煮用角型ケトル:2台、室ブラストチラー(カートイン)・・・20分で17°F:1室、保存7日間(14日可能だが7日間としている) ウォーターチラー・・・スープ&グレビー保存期間28日
CCPのモニタリング・・・15分毎に行う(調理、冷却)逸脱したものはアラーム鳴る。予めルールで対応。業者納品前、納品時、貯蔵、加熱、冷却の各温度
賞味期間(保管期間Shelf life)はどれ位早く冷却可能か食品の成分により決定。
低酸素製品であるスープ、グレビー・・・28日
タンパク質を含む食品・・・・・・・・・7日
●フードバンク
100人分等、様々な大きさのパッケージがある。 メニュー標準化されているため、オーダーによりデリバリー容易
●配送
冷蔵トラックで配送、輸送中の温度をモニタリング 各施設では再加熱カート(アラカートやバーロッジ)でリヒートする。
6)食品衛生基準
USA、HACCP基準
2.Bellevue Hospital Center SK 所在地:462 First Avenue New York , New York 10016 |
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■フードサービスシステム概要
1)病床数
850床(内80名は刑務中精神科患者)
2)サテライトキッチン・カフェテリア
12Fに設置
3)スタッフ数
88FTE(常勤換算)臨床含む
内65名市職員(フルタイム及びパート40名÷2=20名)
4)職員食数・ビジター食数
不明
5)患者食種
スペシャルダイエット 35種
(米国栄養士協会編マニュアル・・・ソデクソー協力)
6)メニューサイクル
21日
7)リニューアル経済効果
クックサーブ自己完結型からサテライトキッチン、CKより依存で 15ヶ所のリニューアルで700万$×120円=8.4億円のコスト セーブ実現(マンパワーコスト削減)
8)フードサービスシステム
●トレイメークアップエリア
トレイライン(コロコンベアー)×2ライン・・・スタッターチェッカーを含め両サイドよりコールド盛付 (各ライン4~5名)盛付後のトレイは再加熱カートに積載
●再加熱エリア
再加熱カート&ステーション…49台設置(アラカート)20トレイ用
再加熱カートシステム(アラカート社説明)
・エアーフロー上均等加熱等を考慮すると20トレイが最適
・カートも大きすぎずキャスターも大きく操作性よい
・温冷機能も十分 ・トレイ片側のみヒーターの上に乗る様にできている
・コーシャ(ユダヤ教)イスラム教用の食事トレイはカートに目印
・カートサイドにメニューマインダーを挿入(間違い時アラームなる)
再加熱温度 165~185°F
・温度チェック HOT:165°F(フロアー140°F、ダミーを入れチェック)
COLD:40°F以下
●その他キッチンエリア
犯罪者・精神科用食事はスチームコンベクションオーブンで再加熱 保温トレイ(アラジン製)で提供(再加熱ヒータートレイは武器となる)
●食器洗浄エリア
下膳カート 49台準備
●その他環境対策
エネルギー削減や発砲スチロール製ディスポ食器を減らしている
9)その他
収入食費(患者)は入院コストとして一括されているため不明
3.The Mount Sinai Hospital 所在地:1190First Avenue , New York , NY 10029 |
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■フードサービスシステム概要
1)病床数
950床(平均在院日数3.2日、出産1~2日)実食数約800
2)キッチン
1F
3)スタッフ数・運営形態
コントラクトフードサービス マネジャー10名 (アラマーク5名、病院5名)混成
スタッフ(病院職員)132名(臨床栄養士19.1名含む及び クックチルシェフ3名、クックサーブシェフ9~10名含む)
4)職員・ビジターカフェテリア食数
4,000~6,000食/日
5)ケータリングサービス
売上1,400万$×120円=168,000千円/年
6)運営理念
顧客満足(患者に出来るかぎりベストな食を提供、 エクセレントのみを念頭。3日毎にアンケート調査・・・味温度)
7)レギュラー、スペシャルダイエット割合
常食40%、特食60%(内心臓疾患20%)
8)メニューサイクル
7日
9)選択メニュー
アラカルト式(ホットミール、コールドミール制限の中で選択)
10)リニューアル経済効果
40年間クックサーブで運営、2004年にクックチルシステム 導入し、オペレーションコストを40~45%削減
11)フードサービスシステム
●食材納入
クックチルの3日前に購入
●プレパレーション
レシピーに基き材料調味料を正確に計量することが クックチル上重要
●クックチル
提供2週間前にクックチル(タンブル)保存期間21日 スープ、リキッド物フロー
ケトル調理(100ガロン3~4回転/日) → ポンプアップステーション(180°Fラベリング) → 冷水冷却 (45分でタンク内38°F)
7~8H実働、シフト制により生産
●トレイメークアップ
ランチ8:00~11:00、ディナー1:00~16:00 (トレイは1.5回転分所有)
12)スタッフ衛生教育
アラマークシステムに基く(サニテーション、HACCP 守秘義務等、100個のアンケート)
13)その他事項
●残食量は病院で調査
●臨床食事オーダーは医師の処方箋に従い食事サービス (ユダヤ人用コーシャ、地中海人達の食事)その他特別食あり
●NSTは医師・ナース・栄養士(病院側)チームとして患者をサポート
4.New York Presbyterian Hospital 所在地:Payne Whitney Clinic 525 E 68th St , Box147 New York , NY10021 |
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■フードサービスシステム概要
1)病床数
781床(実食数700食/回) 看護単位32、平均在院日数3~7日
2)病院&栄養部理念
患者第一、患者満足とコミュニケーション 「The Paicient in the first」
3)経営体
非営利私立(連邦政府、教育機関と連携)
4)スタッフ数運営形態
187名(フルタイム、カジュアルウォーカー、パートタイプウォーカー:内栄養士17名)
直営
5)職員カフェテリアビジター売上
300万$×120円=360,000千円/年
6)レギュラー、スペシャルダイエット割り合い
常食60%、特食40%(食種130種)
7)メニューサイクル
7日
8)選択メニュー
アラカルト式(アントレー40種、朝食はコンチネンタル 昼夕食は3種からセレクト、患者2~3時間前に選択)
9)部門収入&バジェット
●患者 800万$×120円=960,000千円
●ケータリング 300万$×120円=360,000千円
計 1,320,000千円/年
10)部門支出
●300万$×120円=360,000千円
●食材費 〃 =360,000千円
●光熱水費 病院負担
11)食事提供時間
朝食7:30~10:00 昼食12:00~1:30 夕食5:00~6:30
12)フードサービスシステム
●クックチルプロダクション
月曜~金曜の5日間(提供する1~2日前に生産)
賞味期間 タンブルチラー21日
●再加熱カート
導入後14年経過再加熱温度うまくコントロール出来ないため 再加熱カート新しく選定中
選定要件 ・温度調整機能 ・価格
・病院としてのオファー、パートナーシップ
現在、アラジン、DINAX、バーロッジ3社で検討中
●その他
a.患者満足度 調査病院スタッフ対応、外部機関に依頼して調査
b.残食量 栄養士が観察→メニューに反映
c.異物混入時 栄養士の謝罪
d.NST メディカルレコードでわかる。特別な場合のみ栄養士サポート
e.R・D(Registlated Dietitian)
4年大学卒+決められたセミナー及びインターンシップ1年 (1000時間)
5年毎に審査し登録更新(連邦と州の認識)
5.Food&Nutrition Conference&Expo2007 訪問先:Pennsylvania Convention Center Exhibit Hall |
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■展示会概要
ポスターセッション、クリナリーデモステージ、ブックサイニングステーション、オンラインデモステージを 除き約500社が出展、各種食品からキッチン機器まで日本では考えられない規模(栄養士会として)と 来場者であった。 特に機器分野ではチル再加熱カートの出展が盛んで、アラジン、アラカート社他ステーション+シャトル 熱風冷風方式が主流傾向の様であった。